そもそも 「心の病」って何?

心とは、何か?
まだ完全な答えは、ないと思います。
けれど、以前のように、「 心は、心臓に存在している 」と考えている人は、さすがにいないのではないでしょうか。
多くの方は、「 心は、脳という臓器の活動によって作られるものだ 」ということは、知っていると思います。

さて、その脳ですが、
実は、脳という臓器は、神経伝達物質なる物質によってその作用が決まっています。
よって、心を左右するのは、物質だということになるわけです。

現在、25種類ぐらいの神経伝達物質が認識されていますが、実際には、100種類以上あるのではないかと言われています。
まあ、私も、全部はとても知らないのですが、(^_^ゞ

心といっても、実際には、いろいろあるわけで、
大きく分けると、「欲望」、「感情」、「理性」の3種類に分けられます。
次に、脳のどの部分がこれらの心をつかさどっているか、と言えば、
欲望は、脳幹と呼ばれる脳の中心部分で生まれ、
感情は、脳幹のちょっと外側の大脳辺縁系で生まれ、
理性は、もっとも外側の大脳皮質部分で制御されている、と言われています。
要するに、脳は、構造的に分業作業をしているという訳なのです。

次に、神経系について説明をします。
実は、神経細胞は、ひとつながりにはなってないのです。
何故かと言うと、もしも全部つながっていたとしたら、すべてのシグナルが電気的に脳全体に一度に伝わって、それでは分業が基本の脳が、正常に作用しなくなってしまうからです。
神経細胞は、ところどころで短く途切れて(シナプスと呼ばれています)おり、その隙間、20〜30ナノmの間を、神経伝達物質が飛び交っているのです。
そして、どのような神経伝達物質が、どのくらい分泌されるかによって、神経の興奮状態が決まってくるのです。
この量が、異常に少なくなったり多くなったりすると、心の病になると言われています。

下に、主な伝達物質と、その量の多い少ないによって引き起こされるであろうとされる心の病を記しておきたいと思います。
ドーパミンが多過ぎると、精神分裂病となり、
ドーパミンが少な過ぎると、パーキンソン病になると言われています。
ノルアドレナリンが多過ぎると、不安な気分や躁状態を引き起こし、
ノルアドレナリンが少な過ぎると、うつ状態を引き起こすと言われています。
セロトニンが多過ぎると、不安な気分や躁状態を引き起こし、
セロトニンが少な過ぎると、うつ状態を引き起こすと言われています。
アセチルコリンが多過ぎるとパーキンソン症候群を引き起こし、
アセチルコリンが少な過ぎると、アルツハイマー病になると言われています。
おお、難しい…。(^_^ゞ
その他、上に記した脳を興奮させる伝達物質の他、バランスをとる役割を果たすギャバという物質がありますし、グルタミン酸のように記憶に関わるアミノ酸などがあります。
要するに、心が平穏であるためには、神経伝達物質が多過ぎても、少な過ぎてもいけなくて、すなわち、バランスが重要だということです。

もう少し細かく説明します。
ドーパミンが過剰になると、脳が興奮して幻聴、幻覚、誇大妄想といった症状を示し、少な過ぎると、脳のコントロールがうまくいかなくて、手足が震えるといったパーキンソン病の症状を示します。
次に、ノルアドレナリン、セロトニンが多すぎると、脳が興奮しすぎて不安定、気分が高揚して他人に対して攻撃的になります。(「 安心できない、不安でしょうがない 」という状況も、脳の興奮のし過ぎである、というところがに非常に興味深いですね )
これらのノルアドレナリン、セロトニンが少な過ぎると、神経の興奮が不足して、喜びが感じられなくなります。
そして、アセチルコリンが少なすぎると、アルツハイマー的症状になります。
これら,、神経伝達物質の過不足は、重大な事態を招くということです。

次に、体外からどんな物質を摂取すると、心にどのような影響があるかを、下にまとめてみました。
まず、アミノ酸類ですが、アミノ酸類はタンパク質の構成要素で、神経伝達物質の原料そのものであります。よって、脳がきちんと機能するには、アミノ酸が必須です。
次に、グルタミン酸( 味の素の主成分 )から脳のなだめ役であるギャバができますし、
トリプトファンなるアミノ酸から、セロトニン、メラトニンが作られ、
フェニルアラニン・チロシンから、ノルアドレナリン、ドーパミンが作られます。
いずれも、アミノ酸から短い工程でできるのです。(^O^)/
アミノ酸がいくつか結合したペプチドにも、重要な伝達物質があります。
糖尿病に関わるインスリン、やる気を出す甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、性欲を発生させる黄体形成ホルモン放出ホルモンなども、アミノ酸数個から作られます。
ちなみにアミノ酸は、全部で20種類しかありません。これらのうち、体内で作ることができるアミノ酸は12種類で、残りの8種類は、食事から取る以外ないのです。
トリプトファンから、神経伝達物質のセロトニン、メラトニンが作られるのですが、この2種類は、視床下部という人間の欲望に関わる作用を持つので、これが不足すると、気分は沈み、不眠に悩まされてしまいます。
ストレスを低下させるために、脳には、抗ストレス物質なるものが存在しますが、そのひとつが小型のたんぱく質であるメタロチオネインです。これを作るには、亜鉛が必要で、亜鉛不足になると「切れやすい」人間ができてしまうと言われています。

いろいろ書きましたが、「心の病は、神経伝達物質のバランスが悪いせいだ」という視点はは、今後ますます必要になってくると思います。

最後に、脳神経伝達物質のバランスを崩さないために、
@ ストレスを溜め過ぎないようにしましょう
( ストレスを溜め過ぎないためには、
ものの考え方も大事・適度な運動も大事・睡眠も大事、いろいろです。)
A しっかりと、栄養バランスの取れた食事を摂りましょう
と言い沿えて、この頁を閉じたいとと思います。

心の相談室with
 

トップページへ