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愛する人を亡くしたあとの感情

愛する人を亡くしたあとの感情

愛する人を亡くしたあとの感情
愛する人を亡くしたあと、人は、次のような感情を持つと言われています。

 

① 感情をなくす。失ったことを認められない、信じられない気持ち。
② 怒り、憤りの感情と共に、亡くなった人を捜し求める気持ち。
③「どうして自分だけが…」という孤独な感情。
 「もう生きてはいけない」という絶望的な気持ち。
④「愛する人は、もうこの世にはいないんだ」と、事実を受け入れ、
 「その人の分まで生きていこう」と思う、前向きな気持ち。

 

上の4つの段階は、強弱 ・ 時間の長さ短さの差はあれ、誰もが通る道筋だと言われています。時に、「喪失を克服する儀式」「嘆きの儀式」とも呼ばれます。

 

②、③の段階を過ごすのは大変つらいことですが、
ここを省略して、①から④に進むと、不眠や食欲不振、胸の動機などの身体の不調、集中力の低下など、心の不調として表れたり、時には、PTSD(心的外傷後ストレス障害)として、後に、症状に苛まれたりする恐れが生じますので、ここはしっかりと乗り切りたいものです。

 

②、③の段階を、1人で乗りきるのは大変難しく、やはり、側に、信頼のおける、話に耳を傾けてくれる人が必要となってくるでしょう。この、話に耳を傾けてくれる人は、家族でも親類でも構わないのですが、話を聞いていると、聞いている人までが、つらく哀しい気持ちになるため、多くの方は、早く④の段階に行くよう、本人を急がせたり、焦ったりしてしまいがちです。

 

カウンセラーは、②もしくは③の段階にいる時に、亡くなった家族にお会いすることが多いのですが、必ずや、クライエントが、④の段階にいくことを信じて、辛抱強く、話に耳を傾けます。カウンセリングでは、「お前に、私の苦しみがわかってたまるか!」という、強い怒りの気持ちをぶつけられることが多いのですが、回復する日が来ることを信じて、それを黙ってじっと聞くことができるのが、カウンセラーのカウンセラーたる所以でしょう。

 

②や③の段階の時、クライエントは、嘆き・哀しみ・怒りの感情を、カウンセラーにぶつけ続けるのですが、その段階では、カウンセラーがクライエントに言ってやれる言葉はなく、ただひたすら、話に耳を傾けるだけです。

 

②の段階の時には、怒りをぶつけられる役目を負い、
③の段階の時には、そっと寄り添うのがカウンセラーの仕事です。

 

上記作業は、「面接によるカウンセリングでしか、できない」と言ってよいかと思います。
電話やメールでは、クライエントの孤独感を拭うのが、極めて困難だからです。

 

 

 

心の金曜日


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