カウンセリングルーム 「心の相談室with」 名古屋

スクールカウンセラーを機能させるために

スクールカウンセラーを機能させるために

学校カウンセラーを活用するために

 

スクールカウンセラーがあちこちの学校で導入されているようです。「うまく機能していない」という声を聞くことが少なくありません。
現場でも、学校相談員との違いさえわからず、混乱しているところもあるようです。そこで、学校カウンセラーをうまく機能させるために、私からいくつかの提言を、思いつくままにしたいと思います。(中間報告だと思ってお聞き下さい)

 

①学校カウンセラーを担当する先生を決めること。
学校カウンセラーは、部外者です。学校内では孤立しがちです。カウンセラーは、ひとりでは学校という大海原では何もできません。どうぞ担当の先生、カウンセラーをお世話する担当の先生を決めてやって下さい。できれば、カウンセリングに興味や理解がある先生の方が望ましいです。それと、ある程度役職のある方の方が、カウンセラーは、学校内で動きやすいものです。

 

②カウンセリングの時間は授業時間に合わせること。
カウンセリングは、原則的に予約が必要で、授業時間中は先生の許可が必要とすること。また、カウンセリングルームは基本的に、1対1面接とすること。これは、カウンセリングルームをレジャールームにしないための配慮です。

 

③放課の時間は、カウンセリングルーム出入り自由とすること。
これは、カウンセリングを受けやすくするための配慮です。

 

④カウンセリングルームの入り口に、カウンセラーの所在地をいつも明記しておくこと。「お休み」「カウンセリング中」「職員室」「学校のどこか」など。
その他、「カウンセリング中です。入室はご遠慮下さい」の札も必要かと思います。また、カウンセリングしていない時は、戸を開放していてもいいかと思います。

 

⑤カウンセリングルームの利用方法
生徒は担任もしくは担任以外の先生に申し込み、申し込まれた先生は、担当の先生に、それを伝える。父兄は担当の先生に申し込む。教職員も担当の先生に申し込む。担当の先生は、それを取りまとめ、予約日時を決め、カウンセラーと相談者に、それを伝える。その他、カウンセリングルームの入り口付近ににポストを設置し、そのポストにカウンセリング希望の生徒は、手紙を入れるという方法もあります。カウンセラーは、その手紙を見たら、担当の先生→担任の先生を通じて、生徒に連絡するのです。

 

⑥カウンセリング希望者がいない場合は、教職員や生徒(室長や学級委員)に、体験としてカウンセリングを受けさせる。
悩みのいない教職員などいないのではないでしょうか。もし、いたとしたら、それは単に、問題意識が少ないか、「カウンセラーに話しても仕方ない」と思っているだけではないでしょうか。カウンセラーから適切なアドバイスを受けられなくても、話すことによって、心がスッキリしたり頭が整理されるものです。ぜひ、カウンセラーを積極的に利用してもらいたいものです。また、学級委員は、しばしば先生と生徒の間に挟まれて、ストレスを抱えている場合が多いものです。カウンセリングを利用することによって、少しでもストレスを軽減してもらたいものです。また、もうひとつの狙いとして、クラスの代表者がカウンセリングを受けたという事実が、他の生徒もカウンセリングルームを利用しやすくなるという利点もあるかと思います。

 

⑦学校カウンセラーも、職員会議などに出席させてもらうこと。
カウンセラーだけ、学校の行事を知らないというのは変な話です。職員会議などに出れば、今学校側は何を問題としていて、どちらの方向に動いているか、わかるものです。

 

⑧カウンセラーは、PTA会議にも出席させてもらうこと。
こうすることによって、父兄もカウンセリングルームを利用しやすくなるのではないかと思われます。

 

⑨カウンセラーは、定期的に、父兄および教職員にカウンセリングの講習会を開くこと。そういったことからも、カウンセラーには、講習会を開く能力がなければならないと思います。

 

⑩カウンセラーは、臆することなく、教職員にもカウンセリングしていくこと。
カウンセラーは、自分の方が人生経験が豊富だから、人格的に優れているから、教育相談に知識が深いから、という理由でカウンセリングを行なっているわけではありません。どうぞ、自信を持ってカウンセリングしていって下さい。
「カウンセリング受けたい」と手をあげる教職員がいないようだったら、学校側は、教職員に対して、順番に受けさせるべきだと思います。教職員がカウンセリングがなんたるものか理解していないのに、生徒や父兄にカウンセリングを勧められるわけがありません。また、そんな環境で、カウンセラーが学校内で活躍できる筈がありません。ベテランの教師の方は、「カウンセラーに教わるものなど何もない」と思われるかもしれませんが、カウンセラーは、スーパーバイザーであるとは限りません。カウンセラーは、鏡(自分の姿を写し出してくれます)の役割や、便器(愚痴を吐き出す場所)の役割もします。ぜひ1度利用してみて下さい。

 

 

学校カウンセラーは、できれば30代・40代・50代の人の方がいいと思います。小学校に関しては女性の方が、中学校・高校に関しては女性よりも男性の方がいいと思います。
理由は、学校カウンセラーは、児童生徒だけでなく、父兄も教職員もカウンセリングしていかなければなりません。その時、20代の方ですと、どうしても父兄や教職員になめられてしまいます。「子どもを持ったこともないあなたに、何がわかる?」と思われがちなのです。(これは、父兄や教職員の誤解です。カウンセラーは、人生経験でカウンセリングするわけではありません) なめられるのを防ぐために、20代のカウンセラーは、積極的に教職員とコミュニケーションを取ったり、精力的に講習会を開かなければならないと思います。コミュニケーションを取る能力もなく、面白くもない講習会しか開けないようでしたら、父兄や教職員から信用など得ることなど出来っこありません。学校カウンセラーとしては失格だと思います。ここは、奮起していただきたいところです。
次に、「男性カウンセラーの方がいい」という理由は、女性カウンセラーですと、思春期の男子生徒を、やはり心の底で、恐れてしまうのではないかと思うからです。その恐れが、カウンセリングを失敗に導きかねません。教室という場ではともかく、カウンセリングルームという密室で、若い女性が性欲旺盛の男子生徒と、1対1で恐れを感じることなくカウンセリングを続けていくのは、かなり難しいと思います。また、生徒も無意識のうちに、自分に親身なってくれる女性カウンセラーを、性的対象として見てしまうのではないかと思います。そうなってしまっては、カウンセリングはうまく進みません。男性限定としてらっしゃる男性カウンセラーの方は、ほとんどいませんが、女性限定としてらっしゃる女性カウンセラーの方は、たくさんいらっしゃいます。この現象は、そういった意味から生じていると思われます。

 

以上、自戒の意味を込めて、いろいろ述べました。
未熟な学校カウンセラーである私が、「学校という中で、どうしたら、カウンセラーが、より役に立つことが出来るだろうか?」という思いで、勝手なことを書きました。中間報告だと思って、私の個人的な意見として、参考程度に聞いていただけたら幸いです。
いずれにしましても、カウンセラーは、教職員の方々のご協力がなければ、ほとんど何もできません。教職員の方は、カウンセラーに積極的に意見をし、助けてやって頂きたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

 

ご意見などございましたら、またお寄せ下さい。
お返事はお約束できませんが、勉強させて頂きたいと思います。

 

 

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