カウンセリングの予約
私は、何が苦手って、クライエントからお金を貰うことほど苦手なことはありません。
申し訳ないような感じで、済まなさそうにお金をいただきます。
それで1度、クライエントから叱られたことがあります。
「先生、お金はもっと、堂々ともらって下さい。
でなけりゃ、何だか、払っていて損した気持ちになります。」と…。
それ以来、努めて、胸張って料金をいただくように心がけています。
最近、おかげさまで、かなり上手になりました。
でも、お金をもらう時の私って、ちょっとぶっきらぼう…。
(これを心理学では反動形成といいます。)
それから、私は、次の予約を取りつけるのも下手クソです。
明らかに通ったほうがいいと思われる人に対しても、「通って下さい」と言えないのです。
せいぜい、「少しの間、通われたほうがいいかと思いますが、いかがなさいますか?」てな具合です。なんだか、「通って下さい」と言うと、商売っ気を出しているようで、嫌なのです。でも、そんなのプロとして無責任ですよね。それで最近は、歯医者さんのように、「来週また来て!」と言うように心がけています。
もうちょっと前のことですが、クライエントからこう言われたことがありました。
「先生、こないだ、私、予約していって、やっぱ良かったよ。おとといの日ね、すっげえ気分が悪くなって、死んでしまおうかと思ったんだけど、今日ここに来なきゃいけないこと思い出して、とりあえず、死ぬのやめることにしたんだ。」
「 … 。」
「大丈夫だよ、心配すんなよ。今日も予約していっちゃるから、来週までは死なねえよ。」
回復が早い人、遅い人、いろんな人がいらっしゃいますが、毎回きっちり予約されていく人の方が、比較的回復が早いようです。きっと、「1週間後だ。」ということで、気持ちがきっとカウンセリングに向かうのでしょうね。
それと、もうひとつ思い出したことがあります。
こちらのカウンセリングルームには、ずいぶん遠くから通ってらっしゃる方がいます。
電車で往復7時間ぐらいかけて来る方もいらっしゃいます。
私はいつも、「大変だなあ」「遠くで申し訳ないなあ」と思っていたのですが、その方が、終結される時に、こんなことをおっしゃいました。「私、こちらのカウンセリングルームが遠くて良かったです。行く時は、『今日は何喋ろう』と思って、帰りは『今日はこんなこと喋ったなあ』と思って、なんか日常から離れた空間っていうか、往復の時間も、いつもとても充実していました。それに本もいっぱい読めましたしね。」
なるほどなあ、と思いました。
近いから便利でいい、遠くから不便で悪いというわけでもないんだなあと思いました。
これからは、遠くからお出で下さった人に対しても、今よりかもう少し、積極的に予約を取っていきたいと思います。
心の金曜日