質問に答えます。

クライアントを好きになったり嫌いになったり

クライエントを好きなったり嫌いになったりするのですか?

Q.カウンセラーは、クライエントを好きなったり嫌いになったりするのですか?
私は現在、対人恐怖を克服すべく、あるセラピストの方(竹内先生ではありません)に、カウンセリングをお願いしているのですが、その中でどうしても、本筋とは違うところの不安が起こってしまうんです。それは、「セラピストは私のことをどう感じているのだろう。私の抱えている問題 (あるいは私自身)が重たすぎて、しんどくて嫌だ、などと思ってはないだろうか」 というものです。
専門家の方が相手でさえ、このような思いを抱いてしまうのが、神経症患者の神経症たる所以なのかもしれませんが…。 実際のところ、どうなんでしょう? クライエントに対し、「この人は、苦手だなあ」とか「この人の治療は自分自身も苦しいからいやだなあ」などと感じることはないのでしょうか? その辺り、ぜひ本音の部分を聴かせていただければ幸いです。

 

A.はい、ではお答えします。
全然感じないと言えば、嘘になります。でも、私の場合、ほとんど感じません。 好きなクライエントも嫌いなクライエントも、苦手なクライエントも苦手でないクライエントもほとんどいません。うーん、でも、強いて言えば、そうですね。基本的に私は、クライエントの方、皆さん全員大好きです。ホントです。でなければ、カウンセリングなんかやってられませんよ。自分の回復に向けて努力しているクライエントの姿が、私は、愛しくて仕方がないのです。ただ、非常に苦しいカウンセリングはあります。それは、カウンセリングが思うように進展していっていなくて、クライエントが回復してい っていると思えない時です。そういう時は、クライエントの方に申し訳なく思うし、胸が苦しくなります。(そういう意味では、クライエントのパーソナリティとは全然関係ありませんね)
カウンセリングは日常の人間関係ではありません。私も、私生活では、人にどう思われているか、気になることがありますが、カウンセリングでは、全くと言っていいほど、気になりません。クライエントが良くなることに全神経を集中しています。そういった意味で、クライエントの方も、自分の回復に神経を注いで下さい。 カウンセラーのことを好きなったり嫌いになったりするという感情は、抑えきれはしない かもしれませんが、カウンセラーに対し「このカウンセラーは、私のことをどう思っているだろうか」という気持ち、カウンセラーの心に関心を持つのはやめて下さい。それは、ハッキリ言って、回復の妨げです。
カウンセラーとクライエントの関係は、治療関係です。一種の契約関係なのです。 ある目的を持って始め、その目的が達成すれば終わる関係なのです。「関心を持つなと言われても…」とおっしゃる気持ちは大変よくわかりますが、ここはひとつの訓練、稽古、練習だと思って、頑張って下さい。他人の気持ちを覗き見しようと思わない。カウンセラーが私のことをどう思っているか、関心を寄せない。そういった訓練、練習を、カウンセリングという非日常空間で、行って下さい。その練習は、やがて、日常の人間関係で、きっと活かされるようになるでしょう。

 

 

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